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『十二人の怒れる男』&『フィラデルフィア』
Mon.30.10.2006 Posted in 旧ブログ
今回は硬派!な法廷ネタ映画を二本、ご紹介します。
『十二人の怒れる男』と『フィラデルフィア』(私が今更何をか言わんや、てな気もしますが。)
アメリカは訴訟の国ってだけあって、裁判を扱った映画は沢山ありますねー。
以下、ネタバレにご注意下さい。

                  * * *

『十二人の怒れる男』(12 Angry Men、1957、監督:シドニー・ルメット)
十二人の怒れる男
あらすじ・・・ 17歳の少年による父親殺し事件の裁判。無作為選出の12人の陪審員が、全員一致で有罪を認めれば、少年の死刑が確定する。12人中11人はあっさり有罪だとするが、8番陪審員(ヘンリー・フォンダ)ひとりが、証拠に疑問を持ち、もう少し話し合いたいとして無罪を主張。密室の中、互いに名も知らない12人は、有罪の証拠がグラつくにつれ、次第にそれぞれの心理状態をも剥き出しにして激昂し、緊迫した息詰まる議論を繰り広げていく…。
感想(?)は、↓続きを読む、で・・・


『フィラデルフィア』(PHILADELPHIA、1993、監督:ジョナサン・デミ)
フィラデルフィア
あらすじ・・・フィラデルフィアの優秀な弁護士アンドリュー(トム・ハンクス)は、仕事でミスをしたという理由で会社を突然解雇される。しかし本当の理由は自身が同性愛者でエイズ患者だからだと確信したアンドリューは、不当な解雇に対して訴訟を決意するも、孤立無援の闘い。そんな彼に手を貸したのは、同性愛やエイズへの偏見を捨てられない弁護士ミラー(デンゼル・ワシントン)だった。人間の尊厳と正義を懸けた裁判の行方は・・・?
トム・ハンクスが迫真の演技で、アカデミー主演男優賞とベルリン映画祭男優賞を受賞。
こちらも感想(?)は、↓続きを読む、で・・・


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島根県立美術館&小泉八雲旧居・記念館
Thu.26.10.2006 Posted in 旧ブログ
↓島根県松江市、宍道湖畔に建つ、島根県立美術館
用事で松江に行く機会があったので、ちょっと立ち寄ってみた。
島根県立美術館

開催中の特別展は、「田園への誘い ~バルビゾン派を中心に~」という、後藤美術館(山形県)所蔵の、ヨーロッパ絵画名品展。
バルビゾン派とは、19世紀半ば、パリ南東のバルビゾン村に集った画家たちの総称、とのこと。当時のヨーロッパ画壇では、サロンで活躍する画家による、宗教画、歴史画、肖像画や、それらをミックスした絵画が尊ばれ、風景画などの自然をありのままに捉えた絵画は、格が一段低いものとして扱われていたらしい。そんな中、彼らは自然に直接向き合い観察し、自由で多様な表現で、何げない風景や、名もない農夫、生き生きとした動物などを中心に、数多くの風景画を描いていった・・・ということで、ふーむ勉強になりますな。
西洋絵画をじっくり見るのは久しぶりだったので、なんだか新鮮で良かった。細かい描写に感嘆するのはもちろんのこと、光とか風とか空気とかまで伝わってくるような描き方に驚かされる。文明が生み出した写真や映像よりも、あるいはその場その時の空気感そのものを、より鮮明に伝えてくれているような気がする。

この美術館は、夕日の美しさで有名な、宍道湖↓のほとりにたっているため、10月~2月は18時閉館なのだが、3月~9月は閉館時間が、日没後30分まで延長されている。(つまりこの期間は閉館時間が毎日変わる)  よって一年中、ガラス張りの一階ロビーや、二階の展望テラスから、アート鑑賞の合間に夕日を眺めることができるわけで、なかなかシャレた取り計らいですな。
宍道湖

一階が企画展示室で、二階が常設展示室になっている。この二階展示室の設計、かなり私的に気に入った。というのも、二階に上がると、まず広いロビーがあって、そのロビーを取り囲んで5つの展示室があり、ロビーから直接、それぞれの展示室へと行かれるようになっているのだ。よって自分の興味のあるものや、気の向くものから順に鑑賞することができる。
普通の美術館では、大抵常設展の入口は一ヶ所で、出口まで順路に従って順番通りに観ていかねばならず、どのくらい先があるのか分からない時など、始めにゆっくりしすぎて、最後の方はバテてしまったりする。
なので、好きな順番で鑑賞できて、もう一度観たければ何度でも戻ったりできるのが、鑑賞者に嬉しい優しい仕様になっているな、と。

この美術館の収集品で面白いな、と思ったのが、湖畔の美術館であることを意識して、重点的に「水を主題とする絵画」を集めていること。水とひとくちに言っても、画家によって描き方は千差万別。なのにどれもちゃんと水に見えるところがスゴイ(笑)。
あと、陶芸では河井寛次郎作品が多数。京都の陶芸家ってイメージが強いので、京都のご出身かと思っていたけれど、島根県安来市のご出身とのことで。

全体として、企画内容も美術館としての方向性も建物そのものも、かなりポイント高し。座り心地のいい椅子やソファもたくさんあるし、受付のお嬢さん方も素敵だし。ついついまったり長居してしまいたくなるのだった。




松江観光の中心地、武家屋敷群の並びにある、↓小泉八雲旧居にも入ってみた。
小泉八雲旧居1

もとは旧松江藩士の武家屋敷で、居間、書斎などの部屋とともに、家を取り囲む枯山水の庭↓が見どころ。この庭は、八雲の著書『知られざる日本の面影』の中で、西洋人の眼で見た日本の美しい文化として、詳細な描写がなされている。
小泉八雲旧居2

旧居に隣接する記念館には、直筆原稿、書簡、遺品等の数々が展示されている。中には、家族とのヘルン語!での手紙とか、微笑ましいものも。
今回は時間があまり無くて慌しかったけれど、松江はまたいずれゆっくり歩いてみたいな、と思わせる街だった。
ある秋の風景その2
Sun.22.10.2006 Posted in 旧ブログ
↓秋晴れの昼下がり、白樺の木を見上げてみました。
白樺1

白樺2


↓白樺の林の中を、
白樺林

↓進んでいくと、大山が見えてきます。ベンチでぼんやりしていたら、
白樺と大山

↓少しずつ、雲が出てきました。風に千切られて、どんどん形が変わっていきます。
綿雲


↓その日の夕暮れ時、自宅の前で空に目をやると、こんな空だったから、
うろこ雲

風が雲を連れ去るまでの一時、肌寒いのも忘れて、見惚れてしまったのでした。
ある秋の風景
Wed.18.10.2006 Posted in 旧ブログ
秋晴れの風景をいくつか、とりとめなく。


↓大山は鳥取県側から見ると、「伯耆富士」とも呼ばれるほど、富士山型の優美な姿をしていますが、こちら側から見ると、ゴツゴツした険しい表情で、同じ山とは思えないほど雰囲気が違います。
裏大山とも言われる、こちら側から見る大山も、迫力があって厳しい感じで好きです。
標高が高いので、頂上付近に雲を被っていることが多く、この様にスッキリと眺められるのは、ちょっと珍しいのです。
ススキと大山



↓軽トラも、こういう風景の中だと、絵になったりして。
軽トラ



↓牛さんたち、並んでご帰宅中です。のどかです。
お家に帰ろう



↓写真上・キャベツ畑。写真下・ダイコン畑。
丸いキャベツがたくさん並んでいる様は、なんだかカワイイのです。
キャベツ畑

ダイコン畑

この夏は、地元の方から大量に頂いた、新鮮高原野菜を堪能しました。
昼と夜の気温差により、高原地方で作られる野菜は、美味しくなるとのことです。
ホントに美味しくて感涙モノでしたよ。
田圃や畑で、稲や野菜が季節ごとに成長していき、収穫されるのをみていると、農家さんは大変だな~と、改めて思います。


↓あけびが木になっているところ、ここに来て初めて見ました。
食べられるけれど、う~む、あまり食べたいとは思いませんね~。
あけび
『クローサー』
Sat.14.10.2006 Posted in 旧ブログ
突然ですが、映画『クローサー』(Closer、2004、監督:マイク・ニコルズ)のレビューです。
ネタバレしまくりです、ご注意を。それから、この映画が大好きだ!という方は読まないで下さい(汗。以下はあくまで私の個人的意見です、苦情はご容赦ください~(^ ^;)

                    * * *

観る前にこの映画についての予備知識は無く、某所ツ○ヤで、何となくジャケットが目に留まったので借りてみた。ジュリア・ロバーツやジュード・ロウ等、4人の主演俳優の顔が並んでいて、インパクト大なのだ。
closer / クローサー
しかも煽り文句に、
「カラダを重ねるたび、唇は嘘を重ねる・・・
 ロンドンで引き寄せあうように出会った、フォトグラファー、小説家、ストリッパー、医師。
 孤独。不倫。四角関係。
 ひとつの愛で満たされないのは、なぜ?
 赤裸々な言葉で綴られる、恋人たちの愛し方、愛され方・・・」(うろ覚え)
みたいなオモシロそうな?ことが書かれていれば、観たくなるのが人情というもの。
んで、観てみた感想。




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枕木山華蔵寺
Tue.10.10.2006 Posted in 旧ブログ
島根半島の中ほどに位置する枕木山(標高456m)。
その山頂に、臨済宗南禅寺派の禅寺、龍翔山華蔵寺が、ひっそりと建っている。
9世紀に天台宗の寺院として創建、鎌倉時代末期に禅寺として再興され、室町時代には隆盛を極めたといわれている。その後兵火により一時衰退するものの、江戸時代に入ると、松江城の鬼門にあたることから、歴代松江藩主の帰依を受けて復興され、現在に至る。

このお寺に辿り着くと、境内の展望所からの、山陰随一と讃えられる眺望に、ただただ圧倒され息を呑む。(写真上が向かって左手側、写真下が右手側)
↓遠方に大山を望み、弓ヶ浜と美保関に囲まれた穏やかな中海、そしてその中央に静かに浮かぶ大根島。飛行機に乗っているわけでもないのに地図と同じ地形が目に入って、お~地図と同じだ~と、当たり前なんだけど妙に感心してしまう。
華蔵寺展望台1

華蔵寺展望台2

この日は綺麗に晴れていて、空も雲も海も緑も本当に美しくて、あまりの雄大さに言葉もなく、木々を揺らす風の音を聞きながら、しばし立ち尽くしていたのだった。
確かに時の流れが緩やかに感じられ、こうしてずっと眺めていれば禅の修行をせずとも何か悟ってしまえるような、というより心を煩わせる総てのことが些細などうでもいいことに思えるような・・・


かつて繁栄を誇った寺院も今は、大木老樹に囲まれた本堂、開山堂、山門、薬師堂などが、静かに佇む穏やかな山寺の風情。参道の長い石段の途中では、古色ある仁王門や不動明王の磨崖仏が、寺の歴史を物語っている。
↓華蔵寺薬師堂。
華蔵寺薬師堂

このお寺までは、くねくね山道ではあるけれど、県道が通じているので、車で楽に上がることができる。
途中、落石注意の看板が処々に置いてあって、それでも走っていくと、何箇所も崖崩れの跡が・・・。応急処置はしてあったけれど、落石とかいうレベルではないような気が・・・。
県道から分かれて、お寺の私道に入り、細い道の側溝に気を付けつつ進んでいくと、本堂のすぐそばの空地に出るので、長い石段を登らなくても、お寺や展望所まで行くことができる。
住職らしき人が庭の手入れをしていて、生活空間もあったので、ここに住んでいるんだろう。仙人のようだ・・・。冬に雪が降ったりしたら、どうするんだろう??
水木しげるロード&記念館
Thu.05.10.2006 Posted in 旧ブログ
鳥取県境港市にある、水木しげる記念館&水木しげるロード。
ここは、土地の出身者のネームバリューとその仕事に、全面的に寄りかかった上での町おこし、に成功した、数少ない好例ではなかろうか。
今となっては、その地元住民団結しての、商店街の妖怪ワールド化っぷりには、清々しい潔ささえ感じられる。不世出の奇才・水木しげる一人の力だけではなく、地元住民が進んで盛り上げているのが分かるから、訪れる側も、素直に楽しむことができるのだと思う。

水木しげる記念館。ちび鬼太郎や目玉おやじ、のんのんばあ達がお出迎え。
水木しげる記念館

館内では、写真やパネルで水木しげるの人生や仕事が紹介されていたり、仕事場が再現されたりしているほか、たくさんの妖怪人形(水木しげるの漫画に基づいたデザイン)が展示されている。人形のつくりも中途半端ではなく凝っていて、照明の具合によっては不気味なものもあるけれど、デザインのせいか愛嬌があるから、見ていて面白く楽しい。
もともとこういった妖怪たちは、水木しげるオリジナルキャラ以外は、日本で古くから語り継がれてきたもの。これだけの異世界とか人外の怪物たちを何世紀もかけて創り上げてきた、人間の妄想力・・・もとい想像力って、すごい。
江戸時代や、それ以前の、百鬼夜行図とか魑魅魍魎の描かれた絵巻とか、そのデザイン力には目を瞠るものがあって、すべて人間の想像力から生み出されたのかと思うと、非常に興味深い。
近代化で急速に姿を消してしまったそれら妖怪たちを、現代に留めているという点でも、改めて水木しげるの功績は大きいのではないか、と思ってしまう。

で、水木氏によれば、ご本人は半分人間、半分妖怪の、半人半妖なんだそうで、境港は既に妖怪にとり憑かれており、もしかしたら住民の中に妖怪が紛れ込んでいるかもしれないんだって(笑)。
そして、島根半島の先端、美保関あたりは、太古のままの自然が残っていて、今も妖怪がたくさん住んでいるとか・・・。確かに平地が殆ど無くて道も少ないし、日本海側なんて、人が足を踏み入れることも稀な感じだしなあ・・・(ブルル)


水木しげるロードはJR境港駅から記念館までの道のことで、妖怪のブロンズ像がずらりと並んでいる。それらの像の大きさが、小振りで大きすぎないのが、いい感じ。小さくて、手でナデナデ出来るから、不気味というよりもかわいいと思えてしまう。
↓中には等身大の鬼太郎やねずみ男もいるけど。
水木しげるロード

鬼太郎って(アニメ版はまた違うけど)、正義の味方らしくない冷めた感じが何か好き。あとねずみ男の、とことん欲望に忠実な生き方とか、根拠のない楽観主義とか、もう羨ましいかぎり(笑)。
この道を歩いているうちに、それまで日本の妖怪なんてよく知らなかったって人も、面白いなー、水木漫画読んでみたいなーと思い、興味を持つみたい。これも妖怪のチカラか!?




島根半島と弓ヶ浜半島(ていうのかな?)に囲まれた中海の、周囲の道はドライブに最適♪
↓両半島や大根島を繋ぐ橋がいくつもあって、その中の一つ。ちょっと勾配急すぎなんだけどっ!? 空に向かってるみたい。この橋を横から眺めると、これまた怖いのだった。
橋


↓弓ヶ浜は、日本海、美保関、大山を見渡すことの出来る、長さ13kmに及ぶ砂浜。弓ヶ浜展望所にて。この日は晴れていたから水平線まで見えて水の色は濃いブルーで、でも風が強くて波が荒くて、がっつり日本海!って感じだった(何この表現力の欠如っぷりは・汗)
弓ヶ浜

このあたりって、何だか結構楽しめるエリアなのかもしれない。
秋の便り
Sun.01.10.2006 Posted in 旧ブログ
秋も深まってまいりました。
↓どこもかしこもススキ野原です。冬から夏の間は、あたり一面ここまでススキに埋め尽くされようとは、思ってもいませんでした。
ススキ野原


↓栗の木がたくさん自生しています。実は小さいですが、甘くてほくほくしています。
栗の実

他にも、あけびとか、さるなしとか、いろいろな木の実が豊かに実っています。